敬老の日
敬老の日は、毎年9月の第3月曜日です。
祖父母やお世話になっている人に、日ごろの気持ちや感謝を伝える日です。
しかし、かしこまったメッセージなどを伝えるのは難しいです。
そこで、気持ちのこもった「プレゼント」などをお贈りするのが良い方法かと思います。
相手の好きそうなもの、喜びそうなものを贈れば、感謝の気持ちを伝えることができます。

●敬老の日の由来とは?
敬老の日は、兵庫県の多可郡野間谷村で「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」と開かれた敬老会がはじまりとされています。

●敬老の日にプレゼントを贈った経験のある人はおよそ半分!(当社調べ)

●はじめて贈ったのは、自分に子供ができて、親のありがたさがわかったとき、
孫の面倒見てくれて、感謝の気持ちなどの機会で敬老の日にプレゼントを贈りはじめる人が多いようです。

●プレゼントの予算相場は、3,000円~10,000円程度が多く
だし藏でも、特に5,000円前後の物がよく出ます。

●のしは相手に応じて、身内など、親しい間柄であればのしは必ずしも必要ではありません。
のしをつけると丁寧な印象を与えることもできるので、シーンに合わせて活用しましょう。表書きは「御祝」「祝 敬老の日」
孫から贈る場合は、「おじいちゃん、おばあちゃんありがとう」など
孫の名義で贈る「孫の太郎がお祝いの品を作ったので受け取ってもらえますか?」と贈れば、気を悪くすることもありません。
プレゼントに孫の描いた似顔絵やお手紙を添え、あえて孫の名義で贈ってみてはいかがでしょうか。

●贈っては失礼にあたる物として、
緑茶やお茶は、弔辞や香典返しで利用されるためNG。
ハンカチ(手巾)も、別れのイメージが強いため避けましょう。

 

贈り物とは?

●ご贈答
会社のお客様、お友達、交際のある方、家同士のお付き合い、親戚などで品物のやりとりをすること。代表的な年中行事は「お歳暮」「お中元」。冠婚葬祭での祝儀,香典,見舞。旅行時の餞別,みやげなども含まれます。

●進物
目上の人に差し上げる品物のこと。贈り物。
「贈答品」と「進物」の違いは、「贈答品」と「進物」言葉の意味合いを考えると、違いがわかります。進物の「進」という字には、「差し上げる・たてまつる」という意味があります。「贈答品」は贈り物を贈る相手を選びません。
「進物」は目上の人への贈り物、献上の品とされます。上司や先輩、年齢や地位が自分より上の方を指します。ご先祖様や故人、そのご遺族なども含まれます。

●手土産/手みやげ
訪問する際に持っていく、ちょっとしたみやげのこと。
「コミュニケーションツール」として、活用することで、相手との距離を縮め、人間関係を円滑にしてくれる手段の一つが手土産です。

 結婚式のはじまり
結婚式は、世界各国で古くから行われています。日本では、「古事記」に結婚式に関する記述があると言われています。昔の結婚式は、宗教的な考えや両家のお家制度が強く影響していました。その名残が今の結婚式にも現れており、結納や結婚指輪、引き出物をはじめとする結婚にまつわる物事、習慣に繋がっています。

 

 結納
日本の伝統的な婚約の儀式。新郎家から新婦家へ結納の品を納め、新婦家から新郎家へお返しを納めることで正式に婚約が成立します。元々は帯や着物地など婚礼衣装に、扇子・スルメ・昆布・酒などの縁起物を添えて贈るのが正しいのですが、明治・大正時代から金子包み(結納金)で贈る形式に変わってきています。結納は両家の儀式なので親が挨拶を行う。
小笠原流、伊勢流などの礼法があるが、地域の風習や個人の意向もあり具体的な行い方は様々である。結納の仲人については、最近では立てない場合がほとんどである。
語源は、「結いもの」や「云納(いい入れ)」という婚姻を申し込む言葉が転じたものとも言われている。

 

 引き出物
結婚式披露宴に参列したゲストに新郎新婦から贈られるおもてなしと感謝の気持ちを表す品物です。
引き出物の主な種類は、
引き菓子
形に残る品
しきたり品となっていて、しきたり品は地域によって内容が異なる場合があります。
引き出物の金額は大体飲食代の3分の1から半額が一般的で、今では親族、友人、上司などで引き出物など変えたり、選べる内容の物が増えています。引き出物の歴史は、平安時代に庭に馬を引き出したことから始まります。宴会に招いたお客様と、良好な関係が続くようにとの願いも込められていたようです。昔はしきたり品に、鰹節が結婚式のお膳の中に入ってきたといわれています。

 

 引き出物と内祝いの違い
結婚式披露宴に参列してくれたゲストに、おもてなしと感謝の気持ちとして渡されるのが引き出物。
お祝いをいただいたかどうかは関係なく、ご近所や親しい人には報告の意味合いも兼ねて贈るの物が内祝い。
贈り物を渡す相手への思いやりの気持ちは両方とも変わりありません。

 

 引出物の用意
引き出物は大切なギフトです、挙式の6か月前には品物を探しをはじめ、両家のしきたりもあるでしょうから、お二人で確認しておきましょう。引き菓子・プチギフトなども2か月前には仮予約、1か月前には注文!とスムーズに進めるようにしましょう。

 引き出物お相場は
ゲストの方々に贈る気持ちのこもったギフト、平均の金額は一人3,000円~5,000円。引き菓子や縁起物の食品などをあわせて、だいたい平均は5,000円~10,000円ぐらいが多いようです。地方によっては品数や予算も違ってくるので、注意が必要です。記念品や引き菓子につけるのし紙は紅白十本の結び切りにし、表書きは「寿」、下には双方の姓を書きます。

 「ジューンブライドって、なに?」
6月に結婚をすると花嫁が幸せになれると言われています。
ジューンブライドの由来には、さまざまな説があります。

6月のヨーロッパの気候が関係する説。6月は、冬を越して暖かくなり、雨が少なく、お祝い行事が行いやすい。
昔は3月から5月にかけて農作業が忙しいため、挙式が禁じられていました。
ギリシャ神話に登場するヘラが由来の説。ヘラは、結婚を司る女神で6月を守護しています。
6月に結婚式を挙げると、ヘラの加護を受け、幸せになれると言われています

 母に感謝し,日々の苦労をいたわる日。5月第2日曜日。

母の日はアメリカで生まれた記念日
アメリカ、フィラデルフィアに住むアンナ・ジャービスがウェストバージニアで行なわれた母の追悼式に一箱のカーネーションを捧げたことが始まりとのこと。1914年に当時の大統領が祝日に定めました。

日本では戦後アメリカにならって5月第2日曜日を母の日と決めました。
イギリスは四旬節の第4日曜日
フランスは5月の最終日曜日
ロシアは3月8日を母の日としているようです。

 贈り物の相場は?

「贈り物は金額ではなく気持ち」と思っていても、ついつい気になってしまうギフトの相場について、
だし藏のアンケートと販売実績からご紹介します。
母の日ギフトで一番多いのは、

「3,000円~5,000円程度」次に「3,000円以下」が相場になっています。

 

 お母さんが、喜ぶポイントとしては

  • 好きなモノをわかってもらえているコト。
  • 母の日に一緒に過ごせるコト。
  • 実用性があるモノ。
  • 自分ではなかなか買わないモノ。

母の日のプレゼントには、普段はなかなか買わないものけど、
おかあさんと過ごす特別な日に、私の手料理でおもてなし。
美味しく、簡単で、本格的な「関西おだし」はいかがでしょうか。
喜ぶポイントが全て入った、だし蔵ギフトで感謝の気持ちを伝えましょう。

 

そもそもお中元とは?

お中元の「中元」は、道教の習俗“三官信仰”が由来とされ「三元(1月上元・7月中元・10月下元)」のひとつで天神を祭った行事のこと。この風習が日本に伝わり、仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と混じり合い、お中元は祖先の霊を供養する日となったとされています。そして江戸時代以降、お盆の時期に親類や知人が往来し、お盆に来ていただいたの礼として贈り物をする風習が生まれ、お世話になった人に贈り物をする習慣へと変わって行きました。

ちなみにお歳暮とは?

年の瀬に、祖先の霊に塩鮭、するめ、数の子、塩ぶり、魚介類の干物などを供える習慣があり、分家の人達が本家に供物を届けたのが始まりとされています。

贈る時期は決まっているの?

お中元は地域によって贈る時期が異なります。関東・関西・九州など、日本全国の地域ごとにお中元を贈る最適な時期を間違わないように、 関東・関西・九州など地域別のお中元の時期をご紹介します。

お中元を贈る時期は、7月初旬から8月15日までの約1ヶ月のうち、地域ごとに1週間から1ヶ月、期間があります。地域によって習慣が異なり、お中元を贈る場合はできるだけその地域のお中元の時期を守り、失礼がないようにしましょう。

価格の目安はあるの?

  • 三千円~一万円が目安となります。
  • 【特別にお世話になった相手】五千円~一万円
  • 【仲人や上司】五千円前後
  • 【親戚や知人、隣近所】三千円前後

贈る時期が遅くなったら?

「お中元」ではなく「暑中御見舞い」として贈るのが一般的で、目上の方には「暑中御伺い」としましょう。ただし「暑中御見舞い」で贈っていいとされる時期は立秋の(8月7日〜15日)まで。それ以降は「残暑御見舞い」にします。

相手の方や自分が喪中のときは?

お互い喪中でも差し支えございません。時期をずらして「暑中御見舞い」「残暑御見舞い」で贈るとよいでしょう。

お返しはどうする?

お返しは不要ですが、お礼の挨拶は必要です。品物の到着後できれば3日以内にお礼状を書くようにしましょう。電話やメールでお礼を述べるのは特に親しい間柄だけの方にし、目上の方にはきちんと手書きの手紙かハガキで送ります。お返しをする場合は、「御礼」「お中元」として贈りましょう。

<「干ししいたけ」の歴史と「だし」の取り方>

 

 「昆布」に含まれる「グルタミン酸」、「かつお節」や「煮干し」に含まれる「イノシン酸」と共に、3大うま味成分の一つである「グアニル酸」を含む「干ししいたけ」は、和食、特に肉を使えない精進料理に欠かせない食材の一つです。

 その歴史は古く、「干ししいたけ」が食べられはじめたのは、9世紀ごろだと言われており、伝説では弘法大師(774~835)が唐(中国)から帰国後、「干ししいたけ」の食習慣を伝えたとも言われています。

 ただ当時は野生の「しいたけ」しかない時代で、わが国で採れる量は僅かしかなく、しかもそのほとんどが、その品質の良さから中国に輸出されていたようです。

 文献として料理本に「干ししいたけ」が登場するのは、16世紀に入ってからで、当時は、まだまだ高価な食材だったようです。

 

 江戸時代に入ると、「しいたけ」の栽培が始まります。これは栽培とは言うものの、ナラ、クヌギなどの原木に傷を付け、そこにシイタケの胞子が原木に付着してシイタケ菌の生育を待つという自然力中心の原始的な方法でした。

 それでも、この栽培により「しいたけ」の生産量は格段に増え、武士や富裕層などの特権階級や精進料理などでごくわずかに使われていた「干ししいたけ」は、ようやく庶民の口にも入るようになりました。ただ、まだまだ高級で、盆、正月、法事など「ハレの日」のご馳走に限られ、汁物、煮物、五目寿しなどに使われたようです。

 人工栽培が確立されたのは、20世紀に入ってからで、一般の家庭料理の食材として定着したのは、1970年代の健康食品ブームで「干ししいたけ」の効能が注目されたのがきっかけだったと言われています。

 

 「干ししいたけ」は、その収穫時期の違いによって、大きく3つに分けられます。

 「しいたけ」の傘が七分も開かない内に収穫された、肉厚の「干ししいたけ」は、「どんこ」と呼ばれ、「干ししいたけ」の中でも最高級品と言われています。

 さらに「どんこ」よりもう少し傘の開いたものは、「香こ(こうこ)」、七分以上開いたものは、「香信(こうしん)」と呼ばれています。

 「どんこ」は歯ごたえがあり、香り高いので、煮物、焼き物、炒め物に最適です。「香信」は、傘が開いている分、調理しやすく、味がしみ込みやすいので、五目寿司や炊き込みご飯などにおすすめです。中間の「香こ」は、両方の利点を持っており、和食から中華料理まで幅広く、利用できます。

 

 「干ししいたけ」のうま味成分である「グアニル酸」は、生の「しいたけ」にはほとんど含まれておらず、「しいたけ」に含まれる「リボ核酸」という物質が、別の場所に存在している酵素と、乾燥させることで細胞が壊れ、一緒となり、「グアニル酸」に生成されます。こうして干すことによって、「しいたけ」のうま味は10倍にも増加し、ビタミンDの含有量も増え、栄養とうま味が凝縮した状態になるわけです。

 「グアニル酸」は、熱を加えることでさらに増加することが判っていますが、悩ましいのは、加熱をすると同時に、「グアニル酸」を分解する酵素が活性化し、結果として、加熱状態が長引くと「グアニル酸」は減ってしまします。ですので、「干ししいたけ」は、単に戻すだけならお湯でも良いのですが、より美味しい「だし」を取ろうと思うなら、ゴミやホコリをさっと洗い流したあと、出来るだけ5℃以下の冷水でじっくりと戻しながら「だし」を取り、使う直前に加熱するのが正解です。

 目安としては、身の薄い「香信」でも、水に漬け、冷蔵庫で5時間以上、身の厚い「どんこ」なら、24時間程度漬けておくことが理想です。

 また「干ししいたけ」の「だし」は、「昆布」や「野菜」に含まれる「グルタミン酸」と合わさると、大きなうま味の相乗効果を発揮することも判っています。

<「煮干し」の歴史と種類>

 

 西日本を中心に「だし」素材として使われる「煮干し」は、一般的には「かたくちいわし」を煮て干したものを指しますが、農・林・水・畜産物およびその加工品の品質を規定する日本農林規格、いわゆるJAS規格では、「煮干し」のことを「煮干魚類」と呼び、その定義は、「まいわし」、「かたくちいわし」、「うるめいわし」、「まあじ」のいずれかを「煮熟(しゃじゅく)」によって「たん白」を凝固させて、水分が18%以下になるまで乾燥したものとされています。

 ただ、その他にも、「とびうお」や「タイ」、「カマス」または「イカ」や「アサリ」、「貝柱」などの魚介類でも、煮て干したものは広い意味ではすべて「煮干し」となります。

 「煮干し」の歴史は古く、18世紀はじめごろの江戸時代、製塩が盛んで、いわしの獲れる瀬戸内海地方で、現在の「煮干し」に近い物の生産が始まったと言われており、当時より「かつお節」の代用として、「」の材料としても使われていたようです。

 ただその生産、流通、消費は西日本に集中しており、いわしがすぐに鮮度が落ちて生臭くなることから、上流階級には下賎な魚とされていたこともあってか、 関東ではほとんど使われませんでした。関東で「煮干し」の生産、流通が始まったのは、明治時代に入ってからだったようで、いまだに西日本に比べ関東では馴染みの薄い食材の一つとなっています。

 「煮干し」の呼び方も、東日本では「ニボシ」で統一されていますが、全国的にはその呼び名は多様で、20以上もあります。京都・滋賀・大阪では「じゃこ」「だしじゃこ」、中国地方では「いりこ」の呼び名がよく使われていますし、宮城の「たつこ」、長野や岐阜の「蒸し田作り」、富山の「へしこ」、和歌山の「いんなご」、熊本の「ごまめ」、「だしご」等々、地域ごとに伝統的な呼び方があります。

 

 2014年(平成26年)のデータでは、各都道府県民が1年間に「煮干し」を消費している量は、全国平均が68g、トップは宮崎県でなんと295gと、2位の広島県の147gに大きく差をあけて、ダントツです。宮崎県では、郷土料理である炊き立ての麦飯に「煮干しだし」のきいた冷たい味噌汁をかけて食べる「冷や汁」に加え、うどんやラーメンのだしにも「煮干し」を好んで使うことが消費量を押し上げています。逆に最下位は、「かつお節」の消費量No.1の沖縄県で10gとなっています。

 

 「煮干し」の代表格である「かたくちいわし」は、上アゴが下アゴよりも前方に出ていることから、この名前が付けられたと言われており、「まいわし」よりも細長い体形をしています。

 「かたくちいわし」の「煮干し」は、収穫された地域によって、大きく2種類に分けられており、一つが瀬戸内海や長崎の入り組んだ湾内の流れが穏やかな海でとれた「いわし」を原料にしたもので、ふんわりとしたボリューム感のある軽くて柔らかい「煮干し」となり、背中の色が白っぽく仕上がることから「白口煮干し」と呼ばれます。もう一つが「青口煮干し」と呼ばれる、その他の地域で取れたいわしを原料にしたもので、「白口」に比べると、身が締まっている感じで重くて堅い感じがする「煮干し」となります。

 

 「まいわし」の「煮干し」は、頭と内臓が「かたくちいわし」ほど苦くなく、味わいが濃く、かつ上品な「だし」が取れるのですが、最近では漁獲量が少なくなり、あまり作られていません。

 

 「うるめいわし」の「煮干し」は、身に脂肪が少なく、臭みのない、透明な「だし」が取れ、関西で特に人気があります。だし蔵の「関西おだし」は、この「うるめいわし」を使用しています。

 

 「まあじ」の「煮干し」は、「かたくちいわし」よりも、あっさりとした甘みのある「だし」が取れるのが特徴です。

 

 「とびうお」は、あごが落ちるほど美味しいと、「あご」とも呼ばれ、主に長崎で「煮干し」にされています。脂肪が少なく、「うま味」が強く、甘みのある「だし」が取れるのが特徴です。

 

 その他にも、東京の有名ラーメン店が使用し人気となった、脂の少ない「さんま」を使った「煮干し」や、淡泊で上品な「だし」が取れる「小ダイ」を使った「煮干し」など、地域に根ざした多くの「煮干し」が作られ、使われています。

 

<出汁素材の「かつお節」以外の「節」>

 

 「かつお節」に代表されるように、魚などの食材を煙でいぶして乾燥させたたものを「節」と呼びます。これは、もともと「燻し(いぶし)」と言っていたものが転じて「」になったとも言われています。この「」は、原料は魚類によって、いくつも種類があるのですが、その筆頭はやはり「かつお節」であり、それ以外の魚種の「」を俗に、「雑節」と呼んでいます。

 種類としては、良く使われるものとして、「さば節」や「そうだ節」、「いわし節」、「まぐろ節」、「むろあじ節」などがあり、それぞれに独自の風味と良さがあり、地域によっては「かつお節」よりずっと愛用されているものもあって、郷土料理の味のベースとなっています。

 

 「さば節」は、ほのかな甘みとコクのある“おだし”が取れるのが特徴で、原料には、東京以南の近海で獲れる脂の少ない「ごまさば」が主に使われ、静岡県と熊本県などで多く作られています。「まさば」は切り身としては美味しいのですが、脂がのりすぎて「節」には向きません。

 一般的に「さば節」が単独で使われることは少なく、関東では「そうだ節」や「かつお節」と、関西では「むろあじ節」や「いわし節」などと混合して使われます。このように混合することで、それぞれの「」の長所が引き出され、「うま味」の相乗効果が生まれます。

 関東では、味が濃く、醤油や味噌との相性の良い「さば枯節」が好んで使われますが、焦げ臭に近い独特な香りが、淡泊な「関西だし」には合わないため、「さば裸節」が好まれて使われています。だし」を取るときは、「さば節」は香りを重視する「かつお節」と違い、じっくりと時間をかけて煮出した方が、より「うま味」を引きだすことがでます。

 

 「そうだ節」は、相模湾や紀伊半島、高知、九州などで多く獲れる鰹の一種である「そうだがつお」を原料にして作った「」で、産地としては、高知県の土佐清水が有名で、全国シェアの 7~8割を占めています。

 原料の「そうだかつお」には、「まるそうだ」と「ひらそうだ」の2種類があり、ともに鰹よりは小型で、体型も前後に細長く、外見は鯖にも似ています。血合いが多いため一般的な味の評価は鰹より低いのですが、大型の「ひらそうだ」に関しては、鰹より美味しいという評価もあり、主に「そうだ節」には、生食では人気のない「まるそうだ」が使われます。

 「そうだかつお」の語源は、常に群集して、水面にしぶきを立てながら小魚を捕食するため、騒々しく見えるところから付いたと言われいます。ただ別説では、「この魚は鰹だそうだ」が、ひっくりかえって、「そうだかつお」になっという説もあるそうです。西日本では、「まるそうだ」のことを、口と目が接近していることから「目近(めじ」と呼び、これからつくる「」を「めじか節」と呼んで、流通しています。

 「そうだ節」は、味が濃厚で、コクの強い「だし」が取れますが、色がつくのが特徴で、上品な味や色合いに仕立てたい椀物などには向きません。また、単独で使われることは少なく、「さば節」や「かつお節」などと混合して使い、「うま味」の相乗効果を引きだして使用するのが一般的です。

 「だし」の取り方は、「さば節」と同様に、じっくりと時間をかけて煮出した方が、より「うま味」を引きだすことがでます。

 

 「いわし節」は、「かたくちいわし」や「うるめいわし」、「まいわし」などを原料として作られる「」です。

かたくちいわし」は、普通は「煮干し」にされますが、少量ですが有頭のまま「」にも加工されています。「かたくちいわし節」は、苦味と、独特のクセのある香りがあり、「だし」には黄色っぽい色がつくのが特徴です。

 「うるめいわし」を使った「うるめ節」は、比較的クセがなく、甘味とコクのあるだし」が取れます。

 「まいわし」は、主に有頭で「」され、「まいわし節」で取った「だし」は、「かたくちいわし節」や「うるめいわし節」の「だし」より、丸みのある淡泊な味わいとなります。

 

 「まぐろ節」は、大型のものは「キハダ」、小型のものは「キメジ」と呼ばれる「きはだまぐろ」を原料とします。主に1.5kg~3kgのものが「」として加工され、関東では「めじ節」、関西では「しび節」とも呼ばれています。

 生産量は非常に少なく、血合いを除いたものが主流で、“おだし”の味は淡泊で色も薄いため、上品な椀ものに仕立てるのに向いており、高級料理店での需要が高いのが特徴です。また、「糸がつお」にもよく使われます。

 「だし」の取り方は、基本的には「かつお節」と同じですが、「まぐろ節」は雑味がほとんどないため、昆布だしを沸騰させたところに投入して、そのまま1分程度煮てから火を止め、20分ほど放置して漉すと、ちょうと良い「だし」が取れます。

 

 「むろあじ節」は、「まあじ」より血合い肉が多く、脂肪分の少ない「むろあじ」を原料にしています。むろあじ節」で取った「だし」は、やや黄色みを帯び、冷めても魚臭ささが出にくく、「うま味」が豊かで、味はさっぱりとしています。

 主に九州地方で製造されていますが、最もよく利用しているのは中部地区で、うどんだしなどに使用されています。

 

 これらの「」以外にも、生産量はごくわずかではありますが、「さんま節」や「しゃけ節」、さらに珍しいところでは「さめ節」や「とり節」なども作られています。

 

<「かつお節」の栄養>

 

 「かつお節」はとても栄養価の高い自然食品です。筋肉、血液、骨をつくるもとになり、私たちの体に欠かすことのできない良質の「タンパク質」を主成分に、高血圧の予防や筋肉の動きをよくする「カリウム」、強い歯や骨を作る「リン」、「ビタミンD」などをたっぷり含んでいます。また脂肪の酸化を防ぎ動脈効果の予防に効果的な「ビタミン」や不足しがちな「カルシウム」、「ミネラル」なども含み、しかも脂肪分は3%以下。栄養いっぱいでしかもヘルシーな食品、それが「かつお節」です。

 そもそも「かつお節」は、生の鰹を乾燥させて作られているため、栄養分がすべて凝縮されているわけです。カロリーで言えば、春に収穫する生の鰹が100gあたり“114kcal”なのに対して、「かつお節」は約3倍の“356kcal”。鰹の主成分であり、「炭水化物」、「脂質」とならぶ三大栄養素一つで、毛髪や筋肉、体内の酵素などにいたるまで体のすみずみにまで必要な栄養素である「たんぱく質」も、“25.8g”が“77.1g”とこちらも約3倍となっています。この「たんぱく質」の最小単位を「アミノ酸」といいます。「アミノ酸」の種類は20種類しかありませんが、これがさまざまに組み合わさることで、必要な機能に応じで10万種類もの「たんぱく質」が作られ、私たちの体は活動しています。

 

 またこの20種類のアミノ酸は、「必須アミノ」と「非必須アミノ酸」に分けられます。

 「非必須アミノ酸」は体の中で作ることができる「アミノ酸」です。かつお節」で注目される「非必須アミノ酸」の一つに「アルギニン」という、成長ホルモンの分泌を促し、筋肉や骨格の成長を促進する成分があります。アルギニン」は体内でも合成されますが、成長期の子どもなどは十分な量が作れないため、食事で補給する必要があります。

 「かつお節」の「アルギニン」含有量は食品の中でもトップクラスで、しかも「アルギニン」の吸収効率を向上させるビタミンンB6が豊富に含まれており、吸収効率を考えてもおすすめです。

 また、20種類の「アミノ酸」のうち9種類の「必須アミノ酸」は、体内で作ることができず、どれか一つが欠けてしまっても筋肉、血液、骨などの合成ができなくなってしまう上に、バランスよく摂取しないと有効利用されないため、毎日体の外から偏りなく摂る必要があります。

 「かつお節」はなんとこの「必須アミノ酸」9種類をすべて含んでおり、まさにバランスのとれた食事のベースとして最適な食材と言えるわけです。中でも最近注目されているのが、「トリプロファン」と呼ばれる「必須アミノ酸」です。

 この「トリプトファン」は、老化などの原因の一つとされる活性酸素を除去する働きがあるとされ、アンチエイジング効果が期待でき、更年期症状や月経前症候群の緩和、コレステロールや血圧の調整などにも効果があるといわれています。最近では鎮痛効果があることも報告されています。

 さらに脳内の三大神経伝達物質と呼ばれる、集中力ややる気に関わる「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」、心のバランスを整える作用のある「セロトニン」の原料でもあり、特に「セロトニン」は「幸せホルモン」とも呼ばれ、注目されている物質です。

 その他、たんぱく質の一種である、かつお節の「ペプチド」は、人の体の中でエネルギーを作るのを邪魔する水素イオンを除去する働きがあることから、「かつお節」は疲労回復に効果があるとも言われています。

 また、骨を作ったり丈夫にするためには「カルシウム」だけでは不十分で、「リン」、「ビタミンD」がともにあって骨は新陳代謝をしながら丈夫な状態を保つことができるわけですが、「かつお節」にはこの「リン」、「カルシウム」、「ビタミンD」がすべてそろっているのもありがたいですね。

 さらに「かつお節」の「うま味」成分である「イノシン酸」も「だし」を美味しくしてくれるだけではなく、細胞を活性化させ代謝をアップしてくれる効果があり、脂肪が燃えやすくなったり、皮膚の生まれ変わりを助けて美肌効果があるとされています。

 栄養でありませんが、「かつお節」の香りには、食欲増進効果や、味覚を敏感にし、結果減塩効果が得られることも判っています。

 「かつお節」の香りは、百種類以上とも言われる多種類の香気成分の複合体で、現状では人工的に作り出すことは不可能だとされていますので、ぜひとも和食の「だし」には、本物の「かつお節」を使ってほしいと思います。

<「かつお節」の製造方法 3.カビ付け作業>

 

かつお節」作りの工程は大きくわけると、

1、原料の処理 → 2、茹で作業 → 3、いぶし作業 → 4、カビ付け作業

の4段階で、いぶし作業を経て、「荒節」と呼ばれる状態になった鰹は、カビ付け作業の前に「削り」と呼ばれる面に付着したタール分を取り除く作業を行います。

 紙ヤスリをつけた円盤がモーターにより回転する「表面削りの機械」に荒節を当てて表面のタール分を落とすと共に、形を整えていきます。このとき表面削りの時に出るタール分を含む粉は燻しの香りが極めて強く、大手食品メーカーが鰹節風味食品の香りづけのために好んで使うため、結構な高値で取り引きされているようです。

 綺麗に表面を削られた「荒節」は「裸節」と呼ばれ、生臭さがなく、削りやすいため、主に「食べるかつお節」として使われています。

 この「裸節」を日本で最も使っているのが沖縄県です。実は沖縄県は、「かつお節」の消費量が全国1位。最近は少し減ってきているようですが、平成24年度総務省統計局家計調査では、全国平均の約4倍の量を消費しているほど、「かつお節」をよく使っています。

 沖縄は、中国の医食同源思想の影響を受けた独特の食文化を持ち、体に良く薬膳料理にも使われる「かつお節」を好んで食べる習慣が昔からあったようです。「だし」を取った後の「かつお節」もそのまま具として食べるのが沖縄では一般的で、そのため、クセのない「裸節」が好まれているようです。

 

 さて、「削り」を終え、表面のタール分がなくなった「裸節」は、天日で数日間干します。 この作業は「日乾(にっかん)」と呼ばれています。 「日乾」の役割は、「かつお節」の大敵である湿気と害虫対策です。この後の工程でカビ付けを行うのですが、その付けるべきカツオブシカビは乾燥して水分の少ない場所に生える特性を持っています。この特性を生かし、酵母菌や腐敗菌などを発育させずに優良なカビのみを繁殖させるためには、水分含有量が18%以下である必要があるため、「日乾」は欠かせない作業となります。また、「かつお節」に付く害虫であるカツオブシムシの幼虫も高温多湿を好むため、まずしっかりと乾燥させておくことが、防虫対策にもなるわけです。

 

 そしていよいよ「かつお節」の最終工程である「カビ付け」です。天日で干した「裸節」を「むろ」と呼ばれるカビ付け室に入れカビが付くのを待ちます。この時「かつお節」に付けるカビは、昔は自然発生で付けていたようですが、現在は品質を安定させるため、純粋培養したカビ菌を人為的に噴霧して発生させています。

 もともとこの江戸時代中期の和歌山県印南(いなみ)町の漁民、角屋甚太郎が考案した「カビ付け」は、有害なカビなどの微生物が「かつお節」に発生することを予防し、カビに水分を吸い取らせることで「焙乾」だけでは除去しきれなかった節の中の水分を徐々に吸い出させ、「かつお節」をより乾燥させて保存性を高めるために開発された技法ですが、結果それ以外にも多くの効用がもたらされました。

 その一つが、カビの菌糸が分泌する脂肪分解酵素により、「かつお節」の中性脂肪が脂肪酸とグリセリンに分解されることで、風味を増すと同時に濁らず透明な出汁が取れるようになったことです。

 さらに「かつお節」に特有の香気を引き立て、より乾燥することで、うま味成分「イノシン酸」の含有率を高めて旨味をアップさせ、上品で口当たりのまろやかな旨みの凝縮した味を作り上げてくれます。

 

 その他にもカビ自身が生産する抗酸化物質である「コウジ酸」により、節表面の酸化を防止し、節の外観を良くするなど、一石二鳥どころか、四鳥も五鳥も効果が得られる素晴らしい製法であることが判ると思います。

 こうした菌による人間にとって有用な作用を「発酵」と呼びますから、実はカビ付けをした「かつお節」は発酵食品なんですね。

 カビ付けされた「裸節」ほ、水分がほとんどなくなり、「枯節(かれぶし)」と呼ばれる形になるわけですが、これで終わりではありません。裸節」の表面に最初についたカビは「1番カビ」と呼ばれます。つまり2番、3番があるわけです。

 「1番カビ」がついたところで、 節を「むろ」から取り出し、再び二日ほど天日で干した後に、カビを払い落とします。そしてもう一度、節を「むろ」に入れ「2番カビ」を付けます。 この様に「カビ付け」と「日乾」を繰り返すと、カビが節の内部の水分を吸収し 節が乾燥していきます。4回から5回この作業を繰り返すと、 鰹節内部の水分量が20%以下になり、カビの成長に必要な一定量の 水分もなくなるため、「むろ」に入れてももうカビが付かない状態になります。そこまでになる期間は、最低でも4ヶ月、長ければ2年という長い時間がかかります。

 この状態になったものを「本枯節(ほんがれふし)」と呼び、「かつお節」の完成形となり、雑味が完全に消え、旨みの塊となります。その固さは、ほとんど石で、世界一固い食材として、ギネスブックにも登録されています。

 このように、多くの工程と長い時間を掛けることによって、短時間で美味しい「だし」を取ることができる「かつお節」が作られています。